2017.07.30
店舗のみなさんの投票により選出された
2017年6月度の「Gィィ~んストーリー」を紹介します。
牛角入野店 『愛情を込めたサプライズ』
私たち入野店でその感動が生まれたのは、とある金曜日の営業時のことでした。
少しばかり店内が賑やかくなってきた頃いらっしゃった、一組のご夫婦。
特に予約することもなく、フリーでのご来店でした。
ドリンクをお持ちしてオーダーを伺い、失礼しました、と立ち去る際のことでした。
「お誕生日おめでとう!」
と乾杯をしながら奥様が旦那さまにお祝いの言葉を向けていました。
こういったお祝いの言葉を聞き逃さないのが入野店。
お客様の会話に耳を澄ませることで、パートナー同士で情報を共有し、お客様のお祝いなどにはみんなでワイワイと祝うのが入野店のやり方です。
さっそく私はケーキをご用意し、お客様の笑顔を想像しながらお皿にチョコペンでハッピーバースデーと書いて、念入りに準備をしていました。
そうして、そのご夫婦のお食事がお済みのころにお茶をお出しして、すかさず大勢のパートナーのバースデーソングと一緒に花火付きのケーキが登場!
ご夫婦は目を丸くして驚いていましたが、すぐに少し恥ずかしそうな表情をしながらも嬉しそうに笑って「とっても驚いた!どうして誕生日だってわかったの?」と興味深々に尋ねてきたりしました。
そこから会話が弾み、パートナーが代わる代わるそのご夫婦とお話しをしていましたが、一人のパートナーが少し慌てた様子で私に声をかけてきました。
「あそこのご夫婦、奥様の方も4日前お誕生日だったらしいですよ!ケーキ、今からじゃ間に合わないですよね・・・」
そんな大切なことを知って、ただのおめでとうございますだけでは済ませられないのが入野流。
私は大急ぎで、奥様の分のバースデーデザートを作りました。
アイスをふんだんに使った高さのあるアイスタワー。
ベリーやチョコソース、ホイップクリームなどで豪華に仕上げ、花火を刺してパートナーみんなでバースデーソングと共に再び登場。
ご夫婦は最初のケーキのときよりもずっとずっと大きく目を見開いて驚いていました。
「奥様、お誕生日おめでとうございます!せっかくなので、お二人で並んでそれぞれのプレートを持ってお写真を撮りましょう!」
と笑顔でご夫婦にそう言うと、「こんな歳になって隣同士で写真なんて、少し恥ずかしいなぁ」とはにかみながらも、カメラを向ける私にこれ以上ないくらい幸せそうな笑顔を向けてくれました。
「まさかこんなことまでやってくれるなんて思わなかったよ。これ、誰が作ってくれたの?本当にびっくりしたけど、でもすごく嬉しかった!本当にありがとう!!」
日々の営業でお客様のお祝い事を一緒に祝うのは、私たち入野店では最早当たり前のこと。
でもそこから会話を広げて、もっともっとお客様のことを知る・・・そうした結果が、この感動を生んだのだと思います。
「来年は、僕とカミさんの誕生日の間に来るよ、そうしたら2つも出してもらわなくても済むもんね」と、会計時にはにかむ旦那さま。
「いいえ!間に来たって、私たちは2つケーキをお出ししますよ!また来年もみんなでお祝いしましょう!」
そうしてご夫婦は、笑顔でお店をあとにしました。
飲食店においておいしいと言ってもらえることはうれしいことです。
普通に商品を出すだけなら出来て当たり前。
しかし、自分たちで考えた味付けや盛り付けをほめてもらえることは当然何倍も嬉しいもので、お客様に感動を与える大事さや難しさをあらためて感じました。